犬神博士

夢野久作の「犬神博士」という小説を読んでます。

主人公は養父養母に連れられ金を稼ぐため共に大道芸をしながら町から町へ移動しているのだがその道のりにて、
人通りの無い道端で「歩くのが遅い」と養父養母に裸にされ殴られる罵声を浴びせられる等の虐待を受ける。(これ以外でも酷い扱いを常に受けている)
その後、ぼろぼろの状態では客に見せられないとの事で、着物を着直させてもらい化粧直しをしてもらった場面での一文。

「・・・そうなるとまた生れつき単純な吾輩は、何となく親らしいなつかしい味を感じて、今までの怨みつらみを忘れながら、すがりつきたいような気持になっている。」

主人公の心境を表しているこの場面が、自分と重なった。
虐待の部分ではなく、「なつかしい味を感じ」「今までの怨みつらみを忘れながら、すがりつきたいような気持ち」という箇所と「単純な吾輩」と表現している所が特に。
自分のモヤモヤと言語化出来ない感情が文字になっているのを見る事が出来、少し安心しモヤモヤが解けた感じがした。

と同時にやはりどこまでも深い孤独に近い感情を思い出す。
孤独とは違うけど、他に当てはまる言葉が解らない。



学校は楽しい?友達と仲良くやってる?
部活は大変?勉強はついていけてる?
まだ眠っていてもいいのかな
同い年の君は遠くへ行ってしまった


高校で留年した影響はなかなかのもので、同い年や年が近い年下の人達と上手く距離が取れず仲良くなれない
大学生活、本当はもっと楽しみたいと思ってるんだけど、しょうがない
仕様がない