1111

この病は目に見えないけれど妾は確かに患っている、そう確信した

聞こえていた音はもう聞こえなくなっていた
それに気付いた時には足場が無いほどに部屋は散らかっていて、見上げれば棚の上に積み重ねられた人形達には心が生まれ始めている
絶望した
妾は大人になりたくない、と叫び、絶望した
きっと妾は、もしあの時に、此処じゃ無い何処かへ行けていたなら
高望みは手に負えない物で妾の胸を溢れさす
本当にしたい事は?
引いた線が滲んで境界線がわからない
溢れた血液の青さに驚いた
そんな事は聞いていない
どうして答えない
もう空っぽに思えた樹も突けばいくらでも蟲が溢れ出てくるんだね

「病気になってからじゃあ遅いのに、どうして気付いてくれないの?」
「あなたは気付こうとしたの?」

「死んでからじゃあ遅いのに、どうして理解ってくれないの?」
「あなたは理解ろうとしたの?」

こわい