CDを出した

自分がギターを弾いているバンドが初の全国流通盤を出した
特に理由があるわけでもないが、普段からそんなに会話もしてないので、この事を両親に話す事もしていなかった

先日、ニューヨーク時代の幼馴染とうちの母親が会う機会があったらしい
その時に、その幼馴染づてで私がCDを出したという事を耳にしたようで、
「メジャーデビューしたの?!」
と後日、母に聞かれた
いわゆるインディーズデビューという事になるのだろうかと思ったが、インディーズとメジャーの説明が面倒だったので、
「全国流通デビューかな」という、今思えば「インディーズ」とか「メジャー」よりよくわからない単語を使い返答をした

全国のタワレコに置かれるという事の事態の大きさに自分はいまいちピンときていなかった
半年ほど前から作業に取り掛かっており、やっと出せたー!という安堵の方が大きかったからだろうか
それとも相変わらずの自身に対する過小評価癖によるものか
そんな思いとは裏腹に、周りの色んな人、知らない沢山の人が我々のCDを手に取ってくれているようだ
友人が「有名人じゃん!」と言ってくれたり、先に述べた母親との会話なんかを介して、全国流通がどれだけめでたいことかを再確認した


うちは普段から音楽を聴いている家族であった
幼い頃はいつもスピッツが流れていた記憶があるし、松田聖子の曲がキッチンから聞こえたりしてくる
父親は私が高校の頃、ELLEGARDEN、RADWIMPS、9mm Parabellum Bulletなどのバンド音楽を聴かせたら、それらにハマるという感性を持っている
去年もBUMP OF CHICKENのライブを見に行っていた
しかし、私がやっているバンドの話はほとんどした事がなかった
母親は、私がギタボでバンドをやっていた頃はライブを見に来てくれたり、今もギターでバンドをやっている事もちらっと話はしていた
しかし、父親には一切していない
私自身の活動に関しては興味が無い、応援もしていないしむしろ反対している、と勝手に思い込んでいた


そんな父親が先ほど仕事から帰ってきた
私は部屋で漫画を読んでいたら部屋の外から、
「注文していた本が届いたぞ」という報告をされたので、リビングに行くと父親が少し嬉しそうに話しかけてきた

仕事の帰りにタワレコに寄ってくれたそうだ
私のバンドのCDを探したが見つからず店員さんに聞いても取り扱ってないと言われたそう
しかし、そこはTOWER RECORDS MINIという事で、取り扱っていなかったそうで、明日、普通のタワレコで10枚くらい買ってくる、と言ってくれた
凄いな、おめでとう、なんて言葉も添えて

自分を誇らしく思った

リビングのテレビ台にふと目をやるとCDが5枚置かれていた
母親が今日、妹と一緒にタワレコ渋谷店へ行き、買ってきてくれたそう

なんとなく、報われた様な気持ちになった
と同時に申し訳なさも感じた

高校の頃のドタバタや、大学でも未だに続いてるドタバタで、私はどんどん家の中で窮屈になっていく
居場所を自分から失くしていった
家族とうまく距離感が掴めなくなってしまっている為、会話も少ない

しかし、それでもこうやって私を応援してくれている
いつぶりだか思い出せないくらい久しぶりに、「認められた」と感じた

バンドを続けてて良かったと心の底から思った

あとはもっと感謝の気持ちを素直に方々へ向けられる様になりたいな

頑張ろう