LITTLE HELL IN BOY

9mm Parabellum Bulletの熱がまた再発していて、持っていなかったアルバムやDVDを一気に集めて一気に観賞していた
どの作品も良くて、より好きになった
再熱したきっかけが、先日行われていたLINE LIVEのアーカイブで見たキューミリのライブ映像だった
滝さんがライブを休んでて二人ギターがサポートで入ってる編成をここで初めて見たのだが、滝さんの凄さや存在の大きさが改めて感じられた
それを踏まえた上で持っていなかったCDを聞き、DVDを見て、今ライブが出来ない状態にある滝さんを思って、なんだか少し悔しい気持ちになった
「ACT I」の特典映像として収録されている新宿ロフトでのライブ映像があるのだが、この当時の菅原さんと滝さんは24歳、今の自分の一歳下であった
決して比べるものではないはずなのだけど、焦りを感じた
何かしらのインタビューでの滝さんが、いつかは全パート自分で演奏して録るっていうソロアルバムを作りたいけど、作るとしたらただの自己満足ではなく、どこかでコミュニケーションが生まれたり何かしら他人に作用しないと意味がない、と言っていた
自分も、自分がされてきたように、誰かに何かを与えられる音楽をやりたかったことを思い出した
そう思ってからずっと部屋に篭ってギターを弾いて、曲を作っている
人とコミュニケーションを取るという事がいつの間にか非常に困難になっていた
それどころか外に出る事自体、苦手になってしまっている
いつこの曲達は日の目をみるのだろうか
演奏出来る日はくるのだろうか
もどかしくて仕方がない


キューミリもそうなのだが、多くのものを与えてくれたアーティストの一つにART-SCHOOLが挙げられる
高校の時に先輩に教えてもらって、最初は「あと10秒で」という曲から入り、聞いていくうちに深みに気付き、どっぷりとはまって当時はコピーもしていた
普段「音楽に救われる」という単語に全く重みを感じられなくてスカスカに聞こえてしまうのだけど、この単語を聴くと真っ先に思い浮かぶのがART-SCHOOLで、なぜかこのバンドには真実味を帯びて納得ができてしまう
主観が強すぎる、独りよがりな奴だ


映画「桐島、部活やめるってよ」を見た
高校生活は大嫌いだった
もちろん良い事も沢山あったし、掛け替えのない時間だったのは間違い無いのだが、それでも大嫌いだった
だから青春モノはもちろん嫌いだし、もっといえば人間模様を写している作品自体好まない
ただ、映画の物語の進め方が独特で惹きつけられた
学校は人付き合いや人間関係を学ぶ場と知っていたなら、何か変わっただろうか?
多分変わってないだろうな
勉強も人間関係も嫌で、全てを投げ出そうとしても中途半端に終わって、なんとか卒業はしたけど、本当はまだ何も終わってないんだ
学生特有の人付き合いだと思って目をそらしていたものは、結局学校を出ても同じだった
それらから逃げてきたんだから、これから出来るようになるわけがなかったんだ

アメトーークの過去にやっていたダブってる芸人を見て悲しいほど共感した事を思い出した
トラウマが蘇るようで辛かったけど、自分の弱みをさらけ出して他人を笑わせられるお笑い芸人は本当に凄いなと思った
隠して、逃げて、無かった事にして、心を塞いだ自分には出来ない事だ

映画の中で彼らがしていたように、感情を剥き出しにして、誰かと本気でぶつかり合って、傷付けて傷付けられて、それでもそうやって前を向けるようになりたかったな
こんな形で一人で閉じ籠ってないでさ


そんな事を考えながら見ていたら、ART-SCHOOLのLITTLE HELL IN BOYという曲を思い出した
この曲を聴いているとニューヨークで過ごしていた頃に吸っていた冬の空気の冷たさや言葉に出来ない哀しさがはっきりとした形で自分の中に蘇り、涙がこぼれそうになる
映画の季節も秋〜冬頃だったかな
もうすぐ冬がくる
冬は、割と好きだ