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僕の「視界が澱む」という表現を貴女は可笑しいと言って右手のパレットナイフに僕の左側に在る瞳を反射させて「何が視える?」って唇を動かす。「透明に固まった糊」と答えると貴女の左手と僕の右手は繋がった。そして顔を寄せてくる貴女の瞳に僕が映る。それがどうしても耐えられなかった。そして貴女に出来なかった取り返しのつかない事を、した。