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「今を生きれない貴方に傷を付けても良いかしら、」僕の脳味噌が繰り返していた。初めて貴女の言葉と僕の言葉が交じり合った時から気付いてた、全てが最初から手遅れだった事に。僕には成せない事。いくら時間が過ぎても何が悪かったのか、誰が悪者なのかが解らないでいるのを哀れに思う?僕は思うよ。取り返しのつかない事なんて無いって貴女は言っていた。それならどうして僕の瞳に穴を開けてくれなかったの?カーテンの隙間から下校する小学生の宝石みたいに輝く会話が聞こえてきた。穏やかな気持ちはパンドラの箱。心中を貴女は軽蔑する。